本日は、アジア開発キャピタル株式会社 代表取締役・ディレクターであるアンセム・ウォン様に、ICPAの「グローバル・エグゼクティブ・プロトコール研修」に関するご感想を伺いました。
Q:このプログラムを企業研修の一環として導入された動機を教えてください。
この1年間で、マレーシア王室、首相、中国の要人、タイ王室の方々と直接お会いする機会がありました。
その中で、私たち専門家が「国際プロトコール」に関する知識を十分に持ち合わせていないことに気づきました。
そこで、信頼できる研修を探していたところ、Facebookやオンラインを通じてICPAを見つけました。
Q:講座とその内容について、最初の印象はいかがでしたか?
マレーシアは、シンガポールやオーストラリアと同じくかつての英国植民地であり、伝統的マナーは英国式に基づいています。
しかし独立以降、現代社会ではその価値観があいまいになっていると感じていました。
私自身も英国式教育を受けて育ちましたが、それが現代の国際的文脈において今も適切なのかを見直したかったのです。
この講座は、私自身の立ち居振る舞いを客観的に見つめ直す機会となりました。
Q:受講前にどのような期待をされていましたか?
受講前に講師のFacebookやウェブサイトを拝見しました。
私は19歳から日本に住んでおり、「郷に入れば郷に従え」の精神で、日本のマナーを自然と身につけてきました。
しかし、英国の文化と日本の慣習の違いに疑問を抱くようになりました。似ている点もありますが、相反する点も多いのです。
ICPAの研修は、どの文化圏でも通用する「基礎となるプロトコール」を重視している点に魅力を感じました。
そのため、どのような場面においても、敬意をもって適切にふるまえる力を養えると確信して受講を決意しました。
Q:実際のビジネス活動において、研修内容は役立ちましたか?
間違いなく役立ちました。
私は英国式の教育を受けましたが、国際プロトコールを正式に学んだことはありませんでした。
高位のビジネスや国家間の会合、たとえば座席順、入場順、序列、要人との接遇において、マレーシア式にすべきか日本式にすべきか迷う場面が常にありました。
その迷いが思考や行動に影響し、集中できないことが多々ありました。
その経験から、「正式なプロトコール教育」の必要性を強く感じました。
Q:事前に独学で学ぼうとされたことはありますか?
はい、かなり調べました。
しかしインターネットや一般的なメディア情報は断片的で、特に外交プロトコールに関しては信頼性がありませんでした。
正しい情報源がないことを痛感しました。
Q:よくある誤解や思い込みの例を教えていただけますか?
慶應義塾大学在学中、柔道部に所属しており、そこでは日本の文化的な慣習も学びました。
その中で、「乾杯の際はお酒をすべて飲み干すのがマナー」と教えられ、それを当然と捉えていました。
しかし、マレーシアやタイの王族と食事をする場では、そうした行動が適切なのか疑問を抱きました。
調べた結果、日本のマナーの多くは「国内ビジネス用」であり、外交の場には当てはまらないことを知りました。
外交の食事で同じように振る舞えば、酔ってしまい非常に不適切です。
この経験からも「なぜ、そのマナーが必要なのか」を理解することの重要性を実感しました。
Q:その「背景を理解する姿勢」が、研修の核だということですね。
まさにその通りです。
「言われたからやる」のではなく、「なぜそれを行うのか」を理解することが大切です。
たとえば、英国式とフランス式では座席配置にも違いがあることを、私はこの講座で初めて知りました。
マレーシアは英国式ですが、そうした背景の違いを体系的に学べたのは大きな発見でした。
Q:講座で特に印象に残った内容はありますか?
「セミフォーマル」と思っていた服装が、国際基準では「カジュアル」に分類されることに驚きました。
ドレスコードには意味があり、統一感を持たせたり、コミュニケーションを円滑にしたりする目的があると知り、形式ではなく「敬意の表現」だと理解できました。
Q:講師の教え方はいかがでしたか?
予想以上に厳しかったです。しかし、それが良い意味で学びの環境を引き締めてくれました。
最初はもっと柔らかな雰囲気を想像していましたが、講義が始まってからは、専門的かつ本格的な雰囲気を非常にありがたく感じました。
Q:プロトコール以外で、印象に残ったトピックはありましたか?
はい、多くありました。
本講座ではリーダーシップ、心理学、コミュニケーション戦略にも触れており、ビジネス交渉や外交の現場において非常に有効な知見が多く得られました。
これは単なる「マナー」の話ではなく、外交や成功する対話には「心理・歴史・文化的素養」が必要だと理解できたことが、非常に大きな収穫でした。
Q:この研修を受けて、自信に変化はありましたか?
はい、明らかに変化がありました。
知識の幅が広がり、ビジネスと外交両面での自己信頼が深まりました。
今後、より安定した心持ちでグローバルな場に臨めると感じています
この講座はどのような方におすすめですか?
企業の経営層やリーダーの皆様には、企業規模を問わず、強くおすすめいたします。
外交や王族と接する予定がない方でも、国際プロトコールを学ぶことは「教養として」非常に価値があると考えます。
Q:特に日本の経営者にとって重要だと感じる点はありますか?
日本は「礼儀正しい国」として知られていますが、国際的視点で見ると、日本の専門職の多くがグローバル基準を知らないことが多いのです。
日本独自の形式には詳しくても、国際基準の理解が欠けているのが現状です。
だからこそ、伝聞やインターネットではなく、資格を持つ先生から体系的に学ぶことが必要だと感じています。
Q:最後に、率直なご感想をお聞かせください。
これまでは、マレーシアや日本の先輩方から教わった「型」をそのままなぞることが多かったです。
しかし本講座を通じて、「正しいマナー」「文化的背景」「文脈に即した対応」の違いを理解できるようになりました。
これからは、リーダーとしての場においても、政府関係者や王族の方々とも、より自信と優雅さを持って対応できると思います。
品格と優雅さ
ええ、まさにそれが大切です。
素晴らしいご回答をありがとうございました。
今後のご活躍を心より楽しみにしております。
Q:今後、ご自身の課題として取り組みたい点はありますか?
はい。これまでに学んだことを、単なる理論としてではなく、日常の中で自然に体現できるようにしていきたいと考えております。
この講座は「終着点」ではなく、「生涯を通じた成長の新たな出発点」だと捉えています。
あなたは、確実に成功への道を歩み続けられる方だと思います。
今後のさらなるご活躍を、心より楽しみにしております。