ICPAとの出会い
社会人4年目のある日、海外事業が拡大しつつあった職場で、「国際的な取引先とどのように接すべきか」と悩むようになりました。
その時、私は「国際マナー」「礼節」「グローバル教育」などのキーワードで検索し、偶然出会ったのがICPAでした。
それから1年をかけて、ICPAの「国際マナー・礼節・文化」の講座を初級から上級まで一貫して学びました。
この経験を通じて、私は“国際マナー教育”の本質的な価値を以下の3つの視点から実感することができました。
1. グローバル化と実務の現場で起こる現実
私は、日本の多くの新入社員と同じように、入社時に基本的なビジネスマナー研修を受けました。
そこで学んだのは、挨拶の仕方、電話応対、メール作成、名刺交換など、国内企業において「最低限必要とされる所作」でした。
個々の役職、性格、文化的価値観を理解し、調整する力が不可欠になっていったのです。
特に、海外展開を進める日本企業では、異なる文化を持つ方との対話が日常となります。
その中で必要なのは、ただ正しい英語表現を使うことではなく、“敬意をもって、文脈に合った伝え方ができるかどうか”です。
2. 企業研修の限界
多くの企業では「英語教育」が“グローバル対応”の主な対策とされがちですが、英語が話せても“伝わる”とは限りません。
語学研修では決まり文句やパターン会話が中心で、実際のやり取りのような複雑さや文脈の違いには対応できません。
結果として、「言葉に詰まる」「途中で諦める」などの場面を何度も目にしてきました。
グローバル人材の必要性は感じつつも、日常でその必要性を“継続的に実感”できる人は少なく、それがモチベーションの維持を難しくしているのだと思います。
3. ICPAが持つ唯一無二の価値
ICPAでは、日本人の講師に加えて、様々な国籍の先生からも学べます。
この多文化環境の中で、受講生は常に「グローバルな視点」で物事を見る訓練を受けています。
特に印象的だったのは、どの先生も、日本人が見落としがちな“国際教育の盲点”を理解し、そのギャップを埋める授業をされていたことです。
すべての内容が、世界的な視座に立ったものでした。
「知らないことは、学べない」
社会人5年目となった今、私と同じように「グローバル化の波を感じつつも、何が足りないのか分からない」学生や若手社会人は多いと感じています。
マナーや礼節を「常識だから自然と身につくもの」と捉え、形式だけを真似る人もいますが、それでは本質的に使いこなせるようにはなりません。
曖昧な理解のままでは、“自信が持てず、伝わらず、結局諦めてしまう”という悪循環に陥ってしまいます。
そして、その曖昧さは、次の世代にも正しく伝承されません。
ICPAは、こうした課題に対して、初期段階から段階的にスキルを身につける「体系的な学びの機会」を提供しています。
それにより、グローバル社会で必要とされる“人間関係のリテラシー”を根本から育んでいるのです。
「ひとりでは、学べない」
マナーや礼節は、暗記すれば良いものではありません。
宗教的背景や歴史、社会的文脈を含む“奥行きある知識”が求められます。
そのためには、「どこから始めればよいか」を導いてくれる専門家が必要です。
多くの人はまず書籍から学ぼうとします。
確かにマナー本は数多くありますが、“人とのやり取り”は本来、動的かつ文脈依存です。
必要なのは「対話」です。
相手と話し、フィードバックを受け、初めて理解が深まっていきます。
そして重要なのは、「インプット」だけでなく「アウトプット」の場を持つことです。
本を読んで理解したつもりでも、それを“言葉で説明しようとする”と途端に迷います。
実際に話す・やってみる・直してもらう——この繰り返しが、本当の意味での習得につながるのです。
ICPAの講座では、どのレベルにおいても「理論」と「実践」がセットで学べるよう設計されています。
少人数制・個別対応の体制により、自分のペースで、深く誠実に向き合うことができます。
結論
私はこの学びを通じて、
「国際マナーと礼節は、“現代を生きるすべての人にとって、なくてはならない教養である”」
と確信しました。
そして、これを本質的に学ぶには、ICPA以上の場はありません。
これからも学びを深め、いつかこの経験を他の方々と分かち合えるようになりたいと思っています。
単なる知識ではなく、「内面からの変容」として——。
学院長からの祝辞
木下璃香様、高度課程修了おめでとうございます。
初めてお会いした頃の彼女は、少し迷いの中にいるように感じました。
けれどもこの講座に対しては、常に真摯な姿勢で取り組まれており、週ごとに確かな変化を見せてくださいました。
中級から上級への進級、そしてパンデミック下での継続的な学び。
この一年は、彼女にとってまさに“飛躍の時”だったといえるでしょう。
そのまなざしは柔らかく、控えめでありながら、内には明確な意思と使命を宿しています。
そこには、静かなる強さと、未来への希望が宿っています。
こうした若きリーダーこそが、これからの日本、そして世界を支えていく存在となるでしょう。
どうか、これからも“緻密さ・礼節・志”に加えて、“優雅さ・優しさ・美しさ”を携えて歩み続けてください。
共に、より良い社会と世界を築いてまいりましょう。
そして、私たち一人ひとりが、輝きある人生を歩んでまいりますように。