ICPA(学院長:村田セシリア真理)では2022年6月、トヨタ自動車創業家4代目・5代目に当たる豊田TRIKE株式会社、豊田美佐子社長、豊田浩之副社長及びアジア開発キャピタル株式会社アンセム・ウォン社長の研修をさせていただきました。
そこで担当講師を務めた村田セシリア真理学院長に、研修の内容や様子、感想を詳しく伺いました。
ICPAについて
村田:まず弊社(ICPA国際プロトコール株式会社)が運営しておりますThe InterCultural Protocol Academy of Japan(ICPA国際プロトコールアカデミー)について説明いたします。
ICPAは日本で唯一、Leading Etiquette and Protocol Schools of the World の国際認定を受けております。
Leading Etiquette and Protocol Schools of the Worldは、イギリス、オランダ、日本など5カ国からそれぞれ推薦、認定された1団体が加盟し構成する団体です。
5つの加盟団体のなかにはロイヤルウェディングや国賓のおもてなしを担当する団体や、9月にお亡くなりになられたエリザベス女王の元で40年以上お仕えしたハウスホールドの方が創業した団体も含まれています。
ICPAでは現在、
・国際プロトコール
・国際教養
・国際マナー
・異文化ビジネス理論
を教授しており、アジア一を誇る国際プロトコール専門校として、国際プロトコール専門家の育成にも力を入れております。
今回、豊田TRIKE株式会社様の役員研修では、アジア開発キャピタル株式会社、アンセム・ウォン社長とともに国際プロトコールの基礎(初級)を受講いただきました。
初級とはいえ、最後、豊田様は「素晴らしい。思いもよらぬ学びだった」と言わんばかりに涙を流し、感動されておられました。
受講生動画公開
ここをクリックして、前回の記事をご参照ください。こちらでも、全体の様子が書かれています。
ご契約前
研修開始前のアンセム・ウォン氏の印象を教えていただけますか?
村田学院長(以下、村田):最初に社長秘書様とやりとりしました。週末も対応いただき、仕事熱心な方だと感じましたが、対応がよく、丁寧な印象でした。
打ち合わせ当日、私は駅から電話をしたのですが、その際に電話対応いただいた方もとても丁寧でした。
本当に社員教育と窓口の印象は、大切だと思った次第です。
アンセム・ウォン社長とはじめてお会いしたとき、お話ししていくうちに、とても勉強熱心で向上心がおありの方だと見受けました。しかしながら
・服装
・部下への態度
・ボディランゲージ
がとても気になりました。
実際、上場企業のトップとなれば常にストレスにさらされ、大切なことを忘れがちです。研修の際はその点を必ず指導したいと思いました。
社長より海外進出支援をされている豊田TRIKE様役員が中国に行く前に研修をお願いしたい、また社長ご自身も、マレーシア首相やタイ皇室との関わりがあり、国際プロトコールを学んでおきたいと言われるので、研修をお引き受けしました。
「厳しめに」とのリクエストをいただき、私は内心とてもワクワクし、研修が始まるのが楽しみでした。
さらに今回は講義での撮影、写真や記事の公開もご快諾、正式に契約書上でもご了承をいただきましたので、優秀なカメラマンを手配しました(クレジットは最後)。
豊田様の印象についても、お聞かせ願えますか?
村田:詳細は控えますが大企業役員様とはいえ、講師の観点からは、いろいろと気になる点がございました。
グローバル展開をされる際に日本の常識を持ち込むと、本当に損をしますし、トラブルになりますので、海外でどうみられるかについて事細かく指導したいと考えました。
国際プロトコールは外交上の常識であり、ベースとなるのは「マナー」や「思いやり」ですが、決してカンタンな学びではないということを、ご認識いただきたいとも思いました。
そこでまずは「自分が知らないことを認め、それを受け入れる」という精神を思い出していただくことにしました。
研修内容
研修内容についてお聞かせください
村田:前回の記事に書かせていただきましたが、国際プロトコールは国際マナーが基礎となっています。
今回はその国際マナーの一部と異文化理解、プロトコールの一部を取り込んだ内容です。
プロトコールとは異なった文化を理解し、円滑なコミュニケーションを心がけ実践し、双方が納得して物事を進められるような、むしろ「契約」「法律」に近いもの
とも説明しました。
あくまでも一般論ですが企業研修では、必ずしも学びに積極的な方が参加するわけではありません。そのため、
なぜこの学びが必要か
その理由を最初にお伝えしました。
一流企業は国際プロトコールの基礎を心得、徹底しているかどうかで決まります。
しかし、残念ながら多くの企業は、先人がずっと大切にしてきた礼儀、作法、忍耐など、日本から生まれたといっても過言ではない、これらの大切な要素を忘れてしまっています。
実際に研修後、
「こんなこと学んだことがない」
「以前に他の先生に学んだことはありますが、全然違う」
そのようなコメントをいただきました。
このように無知を受け止め学べるかが一流への道を決めます。
研修講師として今回、手応えは感じましたか?
村田:開始5日目あたりに個人面談を行いましたがその後、日に日に変化が見られました。
最初から興味を持って研修にご参加いただいていると感じていましたが、それが振る舞いなどの変化につながっておらず、気になっていたのです。
そこで個人面談を行い、方向性を決めました。そこからはお三方とも急成長されました。
上場企業の社長は例外なくプライドが高いと思い込んでいましたが、素直に自分の不足を受け入れて、瞬時に学ばれたのは流石だなと感じました。
役員クラスともなると学びに邪魔なプライドなども躊躇なく捨てられるという新しい発見がありました。
具体的にはどのような変化が見られましたか?
村田:服装、身だしなみだけではなく、時間遵守についても原点回帰されたと感じました。
実は役員クラスほど、当たり前のことがいいかげんになりやすく、その重要性を忘れているものなのです。
また「品位」を表すといえる謙虚さも、所作ひとつひとつに自然と現れ始めました。
今回の研修は初級ということでしたが?
村田:はい。しかし今回の研修は30時間でした。本来の初級研修の半分の時間なのです。
国際プロトコールの基礎はお伝えできましたが、まだまだお伝えすべきことはたくさんあり、今後も定期的にお教えできればいいのですが…
基礎となる部分だけに受講生の多くは「もう全部わかった!」と満足し、「ひとまわり大きくなった!」と自負しますが、受講から1カ月経った頃には、学んだことを実践できず忘れてしまうでしょう。
なぜなら大人になると、行動や考え方には何十年も積み上げてきたクセがついてしまっているため、研修後に自分で何度も思い出して意識したり、定期的に私の指導やコンサルを受けたりしないかぎり、元に戻ってしまうからです。
動画を拝見しましたが、素晴らしかったです。どのように撮影されたのですか?
村田:質問は前もってお渡ししましたが、ご自身が国際プロトコールを学ばれたことについて基本、お好きなようにお話しいただきました。
村田学院長の講義の特徴について教えてください
村田:見えないものではありますが、私の講座の最大の特徴は「氣」であり、言い換えるとパワーです。
日本人は古代から、このような科学的に証明できないパワー、目に見えない精神的な何かで、さまざまな環境に対応してきたのではないでしょうか。
この「氣」は、私が社交ダンスを教えていくうえで、出せるようになりました。
次に「ボディランゲージサイエンス」の心理術を用いて、受講生がしっかりと集中できる、国際プロトコールを素直に受け入れられるよう環境を整えています。
最後に、私は単なるマナーを教えているわけではなく「ビジネス技術」「外交技術」を指導しています。
この三点が他の講師による講座との違いです。
最初の研修修了後
研修後のフィードバッグについて教えてください
村田:最終日は時間がとれず、後日オンラインにてフィードバックさせていただきました。
また中国でのお話をお聞きしましたが、政府から空港にリムジンでのお迎えがあったことや、毎日のように花火が上がる、踊りが披露される歓迎イベントがあったとのことで、改めて創業者から始まった豊田家の系譜の偉大さを感じました。
特に立ち振る舞いなどで、国際プロトコール初級研修が大変役に立ったと、その大切さも実感されたようで喜んでおられました。
その際、大切なことをお伝えされたそうですが、何を言われたのですか?
村田:その感動は1カ月くらい続きます。しかしこれは達成した際に得られるドーパミンの働きによるもので、研修直後に強く感じますが、その後だんだん落ち着きます。
そのまま元に戻ってしまわないよう意識して、研修直後の状態を普通と自分に言い聞かせてください。以前のように逆戻りしてしまうと元も子もありませんからとお伝えしました。
帰国後のミーティング
豊田様帰国後、改めてお会いされたそうですが、どのようなご様子でしたか?
村田:正直なところ、やはり研修直後の状態を維持していただく難しさと、特に「会話」と「考え方」の継続的なコンサルの重要性を痛感しました。
服装は学べば、誰でもスグに改善できますが、会話の質を上げ、考え方のクセを正す、これらは役員クラスでも難しいと認識した次第です。
ご自身で意識していただくだけでは足りず、やはり私どもICPAとコンサル契約をしていただき、日頃のチェックと、気になる点を都度お声がけすることが望ましいと思いました。
国際プロトコールは研修受講だけではなく継続コンサルも必要なのですね?
村田:国際プロトコールの基礎はやはり付け焼刃では身に着かないと実感しました。
国際プロトコールとは元々、マナーがベースです。そしてマナーとは言い換えると思いやりです。
自分の常識を押し付けるのではなく、他者を理解したうえで他者を尊重し、自分は最後という考えの日本人は多いと感じており、国際プロトコールを身に着けるには親和性が高いと思っていたのですが…
豊田様の研修を終えグローバルリーダーを目指されている方にこれからどう指導されますか?
村田:国際プロトコールを学び続ける姿勢の大切さをお伝えしたいと思っています。また真のグローバルリーダーを目指すのであれば、「品」が必要です。
「品位ある行動」「品性」「品格」は短期講座ではやはり板に付きません。長期コンサルで学び続け、根気よく定着させていくしかないのです。
豊田様にも学び続けていただきたいということでしょうか?
村田:そうですね。豊田様には意識して今後も、研修内容を思い出していただきたいです。またできれば、別のスクールでセカンドオピニオンを受けていただくのもいいでしょう。
そして海外の人と接する機会が多くなると、日本の「どう振舞うべきか」「何をすべきでないか」も薄れてきますので、日本特有のマナーの指導も受け、再度ご確認いただければと思いました。
国際プロトコールは、日本の精神の先にある学びですので、それを思い出していただいてからグローバルスキルとしての国際プロトコールを振り返っていただくと、より理解が深まると思います。
今後、世界を引っ張るリーダーがどんどん現れていくと思います。その自覚をお持ちになり、頑張っていただきたいです。
日本企業に必要な国際プロトコール
話は変わりますが村田学院長はなぜ日本で、学院を展開されているのですか?
村田:今回、受講いただきました豊田様ですが、私は創業者、豊田佐吉の「五つの疑問」を存じ上げておりました。
この哲学は、私が指導するボディランゲージサイエンスでも、あらゆる大学研究でも、世界中で語られています。
このように豊田佐吉、豊田喜一郎といった素晴らしい先人が、日本を世界のトップにひき上げてきたといえます。
しかし現在の日本は、みなさまが思われているとおりです。
世界から日本は、男女平等(ジェンダー・ギャップ)指数が146カ国中116位で、先進国なのに男尊女卑社会だとみなされるなど、日本人の意識の低さや品のなさが、このようなところにも出ています。
品位が下がったといえる日本の企業人を、国際プロトコールを学び続けていただくことで、社員や特に女性を大切にできる軽蔑されないグローバルでも通用する紳士に変えたいと思っています。
日本人の品位はそんなに下がっているのでしょうか?
村田:日本では実際、社員を大切にしない、特に女性を見下す、セクハラ、パワハラ発言、怒鳴られる、暴力を振るわれたといった職場でのお話を耳にしています。
そういう人が叩かれにくい社会ですので仕方ないのですが、見て見ぬふり、自分ファーストである企業人が多すぎます。
気になるのは会話を広げられない方で、これは企業人としては致命的ではないでしょうか。
これらは恥ずべき日本の常識人の特徴であり、世界では品位の低い非常識で、絶対にしていただきたくありません。
国際プロトコールは、これから日本企業が取り入れるべき礼儀・作法です。
やはり国際プロトコールは日本企業に必要な学びですか?
村田:生き残りたい、グローバル化を目指したいならスグにでも取り入れるべきです。
・異文化理解
・協調性
・非言語理解
・ソフトスキル
というグローバル社会に必須なスキルが身に着きます。日本企業いえ日本が救われ、発展する道はひとつ。
今一度、日本特有のマナーを学び、日本精神の理解を深めてから、国際プロトコールというグローバルスキルを身に着けることです。
国際プロトコールこそ日本を救い、発展させるということでしょうか?
村田:はい。国際プロトコールは、忘れられた日本古代の礼儀に通ずるものといえます。
私の言葉そのままに書き出すと以下のとおりです。
• 外交に必須の嗜み • 大きな団体の間の、覚書(契約) • エチケットやマナーを根源としているため、基礎は「どんな場面でも思いやり」 • 礼儀作法を守り、相手に不快な思いをさせない • 順位を守り、自分の立場をわきまえる • 異文化を理解し尊重する • 女性を敬い、尊重する • 相手を尊重し自分は後にが基本精神 • 礼に始まり礼に終わる • 弱い者を守る • 順位は自分を尊重するものではなく、他者を尊重するもの • 仲間を守り、先導者として、その位置に留まる
日本には「武士道」がありますが、西洋の騎士道と同じような精神です。
元来の日本精神は世界でも最も氣品に溢れ、氣高く、高貴であったといえるのです。
――村田学院長、ありがとうございました
写真撮影(カメラマン):Don Kennedy インスタグラム@donlikes Thank you.
You must be logged in to post a comment.