一般的な日本人の英語能力レベルは、他の非英語圏、特にヨーロッパと比較して、比較的低いと考えられていました。EF英語能力指数(EF EPI)などの国際的な英語能力調査では、日本は通常「低」の能力カテゴリーにランクされています。
様々な英語教育が取り入れられていますが、2023年現在でも、この記録に変化がみられません。
まずは、こちらの記事では、日本人の平均的英語力の現状と意識の低さが出来上がった原因のいくつかと、その解決方法のいくつかをご紹介致します。
日本人の英語力の平均レベルが低い理由 様々な言語学研究の論文でも、2023年においても、日本の英語力が世界水準に比べて低い要因は、以下のようないくつかの要因があるとされています。
教育方法について:近代の日本の英語教育は、コミュニケーション能力よりも文法や読解力に重点を置いてきた上に、教育時間が世界水準を下回っています。
私生活で英語を利用しない: 日本の学校では英語は必修科目ですが、教室の外で英語を話したり聞いたりする機会は限られていることが多いので、馴染みのない外国語であり、英語を身につける必要性を感じている人は、世界に比べて極端に少ない事もあげられます。
日本語の言語構造と言語文化は、他の多くの国と異なる: 日本語の文法は主語、目的語、動詞で構成され、主語はしばしば省略される。日本語の文法は主語と目的語、動詞からなり、主語は省略されることが多く、語彙は単一の意味を持つ単語で構成されていることが多いのです。一方、英語は主語と動詞が必ず必要で、応用的な言語文化であり、一語の中に多様な意味や微妙な表現の違いがあることは、日本人にとって特に受け入れがたい言語特性であると言えます。
非言語コミュニケーションを好む国民性 日本人は、話し手よりも聞き手が言葉の本来の意味を予想する習慣があるため、英語のように自分からコミュニケーションを取らなければならない言語政策に不慣れな傾向があります。この習慣は古来から行われてきたもので、日本人が変えるのは非常に困難なことです。日本は究極のハイコンテクスト文化でなのです。 日本では、コミュニケーション能力を重視したカリキュラムの改訂、外国語指導助手(ALT)の増員、留学の推進など、英語教育の改善に向けた取り組みが行われています。しかし、こうした努力の結果、2023年までに平均的な日本人の英語力全体が大きく変化することはありませんでした。
英語上達レベルまで到達するには、何時間必要か? ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)では、各レベルに必要なガイド付き学習時間数の目安が示されています:
A1(初級): 60~100時間 A2(初級): 180~200時間 B1(中級): 350~400時間 B2(中級上): 500~600時間 C1(上級): 700~800時間 C2(習得または熟練): 1,000~1,200時間
しかし、日本人が一定の英語力を身につけるために必要な時間数は、上記や、その他いくつかの理由から、CEFRが提示する推定値よりも、低く見積もっても3倍以上の長期間必要と言えます。
A1(初級): 300時間以上 A2(初級): 600時間以上 B1(中級): 1200時間以上 B2(中級上): 1800時間以上 C1(上級): 2100時間以上 C2(習得または熟練): 3600時間以上
中学から高校までの学校教育だけで勉強した人は、288時間しか勉強していないことになりますので、レベルA1が日本人の平均的な英語力であることがわかります。
また、世界で就職するためにはC1以上のレベルが必要ですが、日本企業ではB1レベルを英語ができるレベルとみなしており、英語の必要性に対する意識の低さがうかがえます。
欧米に比べて3倍以上の英語学習が必要な理由は、前述の通り、言語文化、構造、社会的ニーズです。
日本人の英語レベルを向上させるには 日本人学習者が一定の英語力に到達するために必要な時間数は長時間かもしれませんが、学習体験は個人によって大きく異なります。学習意欲、指導の質、集中力や練習の機会などが、望ましい英語能力のレベルに到達するために必要な時間を決定する上で重要な役割を果たすと考えられます。
以下では、日本人が英語を向上させる上で、必要な方法の一部を述べています。
英語教育の見直しと学習時間の確保:上記のように、日本人は明らかに英語を勉強する時間が不足しています。勉強時間を増やすだけでも効果があります。
日常生活の中に英語環境を作る: 言語交流イベントに参加したり、自宅ではソーシャルメディアや映画・ドラマ、本を読むなど、さまざまな方法で英語環境を整えることができます。また、学習者のコミュニティに参加してモチベーションを維持することも大切です。
職場での英語の重要性を高める:個人ではなく会社で可能な場合は、英語力が認められる基本的なレベルを高めることも効果的です。ただし、職業によっては、このような環境は逆効果になる場合もあります。
個人の英語学習の質を上げる:英語学習法を見直す場合、外国語学校の方針は世界の王道で間違いありません。日本人に合っていて、海外留学生の英語が上達する理由の一つになっています。 日本人にとって避けた方が良い英語学習方法 日本人にとって、効果の出やすい学習方法は、ある程度は傾向があります。他の国での学習方針が日本人に合うとは限らない反面、日本独自の学習方法に効果があるとも断言はできません。
適正に個人差がある中、学習方法を変えたり、勉強方法を改善する為に、何でも手当たり次第にしても良いというものではありません。自分が楽だと感じる方法では、高い効果を得る事が難しい事もあります。始めはきつくてもそれが楽しくなる事もあり、またその逆もあり、きついから継続できない事もあります。適切な学習方法には個人差があり、限定する事は困難ですが、個人の目的に合った、正しい学び方をする事が大切です。
以下は、一般的な日本人に推奨する英語学習方法で、避けた方が良い方法の一部です。
遊びながらの勉強:仕事向けの目的に場合は、厳しい環境でも、仕事の一環として、勉強に集中し、勉強時間を増やし、1日3時間の勉強時間を確保する事が推奨されます。
TOEICの点数取りの目的のみの勉強法:TOEICの点数は、英語のスキルが向上すれば比例して上がる、比較的単純な構成であるのですが、反対に点数だけを取っても、実際の実力に繋がらないケースが多い事が現状であります。点数を取る事と英語の勉強は分けて考え、目的を点数取りではなく、英語の向上とすれば、TOEICの点数も比例して上がる事を理解し、英語学習に意識を向けると学習の質が変わります。
ネイティブスピーカーとの英会話のみの学習方法:日本人には、スピーキングが大切という神話を信じて、このような英語学習を始めると、一向に英語のスキルが上がらない事になります。言語構成と言語文化が異なる日本人に必要な勉強法は、文法、語彙、発音や音声変化の理解をした上でのスピーキングであり、英会話のみの学習では効果は上がらないのです。
文法と語彙のみの学習:最重要項目と言えど、文法と語彙だけ勉強していても、英語のコミュニケーション能力は上がりません。これらの学習に加えて、全ての学習方法をバランスよく取り入れる事が重要です。優先する勉強は、フォーマルな文法、語彙、表現、及び、仕事向けのスピーキングであります。
ネイティブの友人から学ぶ:英語指導の訓練を受けていない、経験がない、専門ではない人からは、友人同士の日常会話をする事に役に立っても、それは、英語力の向上に繋がるとは限りません。反対に、ブロークン英語を身につけてしなう可能性があります。 より効果的な学習方法に関しては、また、別の記事で紹介していきます。品のある英語を身につけたい方は、英語の敬語も学べるICPAの品格英語講座へ、是非お越しください。
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